個体塗膜主要素(樹脂)


大きく分けて、天然の動植物から採取した「天然樹脂」と人工的に合成して作られた「合成樹脂」の2つがあります。


天然樹脂・・・・・地中に埋もれて作られ、化石化した樹脂や樹木より採取された樹脂、さらには昆虫の分泌物を採取した樹脂など、いろいろな種類があります。

合成樹脂・・・大きく分けて「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」の2つがあります。
        熱硬化性樹脂は、加熱することにより起こる化学反応により不溶性不融性物質に変化熱可塑性樹脂は、熱を加えると溶融し、温度が下がれば、もとの物質に戻る。

いろいろな樹脂

天然樹脂

・コーパル・・・・・樹脂液が地中で化石したもの。採取の場所により品質が違う。
          熱によって解ける融点によって、硬質・軟質に分かれます。
          硬質は、溶剤にとけにくく、油溶性に変えるまで処理が必要だが、軟質樹脂と
          比べると、乾燥性・耐候性にすぐれています。

・コハク・・・・・・・化石樹脂で、最も硬質ですが、塗料にする為の処理が大変です。
          ワニスとした場合、硬質が高く、耐久性にすぐれています。

・まつやに・・・・・「ロジン」とも「チャン」とも呼びます。「オジン」でも「オッチャン」でもなく、アメリカが
 (松脂)     世界的な生産地です。外国で出来た「洋チャン」と日本で出来た「和チャン」が
          あります。
          生松・倒木・伐根などから作られ、容易に溶解する為、天然樹脂のなかで、多量に
          使われています。

・ダンマー・・・・・インド・スマトラ等、暑い処の樹木の分泌物です。固まりの樹脂(塊状樹脂)で
          ある程度の熱により、限られた溶剤に解けます。上級品は淡色で高級な為、
          白エナメルの展色剤にしたり、さらに処理して、ラッカーに用いたりします。

・セラック・・・・・・インドにいる昆虫の分泌物より作られる樹脂です。「ラック」とか「シケラック」と
          呼ばれています。
          セラックは、アルコール・ケトン等には溶けるが、石油系溶剤には溶けない。
          白ラックは、薬品にて漂白加工したものです。

・硬化ロジン・・・・ロジンを石灰で中和したもの。酸価が低くなり、高質化する。
          アルコールには不溶となり、耐水性の揮発性ワニスに使用され、低級な油性ワニス
          の原料に供されます。

・エステルゴム・・ロジンとグリセリンとの化合物。耐水性・耐候性に良好な樹脂になります。
          乾性油とよく相溶しね油性ワニスの原料として広く使用。
          スパーワニスは、シナ種桐油とエステルゴムから出来たワニスで、耐水・耐候性が
          良いです。

合成樹脂

(アレコレと混ぜて科学反応により作られた樹脂です)

・フェノール樹脂・・・・フェノール類とアルデヒド類とを酸またはアルカリを触媒(反応を助ける)
          として縮合することにより、得られた樹脂です。フェノールアルデヒド樹脂とも
          言われます。

・フタル酸樹脂・・・・・多塩基酸と多価アルコールとの縮合によって得られる樹脂をアルキッド
          樹脂と言い、酸基とアルコール基とが反応してエステル化(酸とアルコール
          から水が取れて出来る化合物)することにより縮合。最初に用いられるのが
          無水フタル酸を用いた樹脂がフタル酸樹脂です。多価アルコールとしては、
          グリセリンが多く使われます。

・マレイン酸樹脂・・・・ロジンマレイン酸付加樹脂で、ロジン・無水マレイン酸及びグリセリンの
          3者を高温で反応させると、ロジン変性マレイン樹脂が出来る。
          油脂及びタール系溶剤に溶けやすい樹脂で、ニトロセルロースと混溶し、家具
          用ラッカーやサンジングシーラーの原料に用いられる。

・不飽和ポリエステル樹脂・・・不飽和の多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応により得られ、
          通称、ポリエステル樹脂と呼ばれている。その他、加熱といろいろな触媒により
          不溶不融性となり厚塗り塗膜を形成するに至ります。

・尿素樹脂・・・・・・・・・尿素とフォルマリンを縮合して生成した樹脂。

・メラミン樹脂・・・・・・・メラミンとフォルマリンとの縮合物を言う。樹脂化反応は、尿素樹脂に似て
          いる。

・酢酸ビニル樹脂・・・・アセチレンと酢酸との反応により得られる。ニトロセルロースによく溶け合
          い、耐水性・付着性が向上する。

・酢酸ビニルエマルジョン・・・酢酸ビニルのモノマー(単量体)を水中で重合することにより、酢酸
          ビニルの乳状体を得ることが出来ます。

・塩化ビニル酢酸ビニル供重合体・・・溶剤に溶けにくい堅くて強靱な塩化ビニルと、溶剤に溶け
          やすく、比較的柔らかい樹脂の酢酸ビニルを混合し、重合したもの。
          耐水性・耐薬品性・難燃性で、溶解性を持った樹脂ができ上がる。

・ポリビニルブチラール樹脂・・・ポリ酢酸ビニルを部分的に加水分解し、これにブチルアルデヒド
          を作用させてブチラール化させた白色粉状のもの。
          付着力が大きく、強靱で、光線や熱に強い。エッチングプライマーに使用。          

・ポリスチレン樹脂・・・スチレンを光、又は加熱により重合して得られる樹脂。
          耐水・耐酸・耐アルカリ性が強く、電気絶縁性が良い。

・スチレン化アルキド樹脂・・・桐油・脱水ひまし油等のような共やく二重結合をもった樹脂に、スチ
          レンモノマー(単量体)を加えて作ったスチレン化油で、フタル酸樹脂を作ると
          スチレン化アルキド樹脂になる。
          乾燥性が早く、耐水・耐油性・耐薬品性がいちじるしく改善されている。

・アクリル酸樹脂・・・アクリル酸、又はメタクリル酸のエステルを重合して得られる樹脂。
          溶液重合・乳化重合により得られる。
          アクリル酸メチルエステル樹脂は、アセトン・酢酸エチル・ベンゾールに溶け、石
          油系溶剤・アルコール等に不溶です。
          メタクリル酸メチルエステル樹脂は、耐水・耐油性・耐アルカリ性にすぐれている
          が、付着力が乏しい。
          

・ケトン樹脂・・・・シクロヘキサノンあるいは、メチルシクロヘキサノンをアルカリ触媒で縮合して
          得られる。耐光性・耐酸性・耐アルカリ性が強く、ニトロセルロースとも混浴する
          のでラッカーにも用いられる。

・クマロン樹脂・・クマロン及びインデンの重合体。堅い淡色樹脂で、タール系溶剤・テレピン油
          に溶け、乾性油とも相溶性がある。
          耐水・耐酸・耐アルカリ性・電気絶縁性良く、油性塗料に使われる。

・塩化ゴム・・・・・生ゴムを解重合した溶液に、塩素ガスを通じると塩化ゴムが生じる。
          塩化ゴムは、堅くてもろく、耐薬品性・耐摩耗性・耐衝撃性等にきわめて強い。
 

・エポキシ樹脂・・樹脂は淡黄色で、重合度により粘ちゅう性液体から個体状までいろいろある。
          一般にケトン系・エステル系溶剤に溶け、タール系・アルコール系溶剤は希釈剤
          として用いる。密着性・強靱で堅く、耐科学性・耐溶剤性にすぐれている。

・ポリウレタン樹脂・・ウレタン結合によって形成された高分子化合物。一般に堅く、強靱で、
          耐薬品性・耐油性に優れ、付着力も強い。

・ケイ素樹脂・・・シリコーンとも称される。樹脂状物・油状物・ゴム状物があるが、塗料では、樹脂
          状物を溶剤に溶かして使用する。優れた耐熱性・耐候性を有し、撥水性・耐水性
          ・耐薬品性・電気絶縁性も良い。

・ブチルチタネート樹脂・・たいていの有機溶剤には溶ける流動体だが、メタノール・エタノールには
           溶けない。アルミ粉を配合して、耐熱性に優れた密着性・防食性ある塗料が
           作られる。

繊維素誘導体

(天然の高分子化合物である繊維素(セルロース)は、酸やアルカリ類と反応して、エステルや
 エーテルを生成します)

・ニトロセルロース・・硝酸繊維素、または硝化綿と称される。硝化度により各種の品質があるが、
            180度以上の温度では分解を起こして爆発したり、不安定な物は貯蔵中に
            自然発火する。

・酢酸繊維素・・・・・アセチルの含有量により、耐候性や他の樹脂との混和性が違ってくる。
            主として単独で塗料化され、難燃性と緊縮性とにより、ドープ塗料(羽布塗料)
            や電気絶縁性として電線用に供される。

・ベンジルセルロース・・アルミ・マグネシウム合金のような軽合金属に対して付着性が良い。
            耐水性・耐光性・耐薬品性に優れている。

・エチルセルロース・・多くの溶剤に溶け、樹脂・可塑剤との相溶性が良く、耐薬品・耐光性・難燃性
            ・柔軟性がある。ラッカーの亀裂防止・ペーパーコーティングなどに供される。

歴青質

・アスファルト・・・・・黒色塊状で石油の固状重合生成物です。硬度は種々あり、耐薬品性・耐水性
           に優れている。

・ギルソナイト・・・・硬質アスファルトで、耐酸・耐アルカリ性・電気絶縁性に優れている。

・ピッチ・・・・・・・・・蒸留残さで、黒色・黒褐色の光沢のあるもろい樹脂物質です。

・石油アスファルト・・ギルソナイトに比べて軟質で、蒸留の仕方により、硬度や軟化温度を区別し、
            品質を決める。


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